#207:「片鉄  瀬の桜の下で・・・ポタ!」(09/04/04,05)


先月「カキオコ」に出掛けた際『天瀬駅跡の桜、見たいなぁ・・・』と思いまして。
と言うのも、何度も「天瀬駅跡」には来てますが、駅舎に多い被さる様な、
立派な桜の木が咲いているのを、見た事が無い・・・これは、見なきゃ!

と言う事で、わがまま企画『天瀬の桜の下で・・・』と出掛けて来ました。
shinさんが、こんな企画に付き合ってくれました。

初日は雨に見舞われましたが、今年最後の「カキオコ」も食べられて、
翌日の「片鉄」は快晴のいい天気に、ほぼ満開の桜・・・大満足の二日間でした。


<09/04/04・・・1日目>
まずは電車旅・・・ですが、現地は雨で。

3月頭に出掛けた時と同じ列車で・・・予定では「寒河駅」まで乗車で、そこから走行でしたが、
「播州赤穂駅」で乗り換えてすぐに、雨・・・。

天気予報では、パラパラ程度でしたが、結構、降ってる(笑)。
と言う訳で、自転車は諦め、「日生駅」まで乗車。
駅前の自転車置き場に、輪行状態のまま、駐輪して・・・。


「まるみ」さんにて「カキオコ」。

本来、3月末で終わりなんですが、
前日の電話確認でOKとの事で、
今年最後の「カキオコ」を食べれました。

お母さん、サービスなのか、牡蠣の量が多い!
前回来た時の『特盛』より、多いです!!
(左上の写真、左が『特盛』右が普通)

同行していただいたshinさんにも、
満足いただけました!
次回は「エビオコ」に来ましょうね!!


再び電車の人に・・・。

お腹が満足したとこで(ちょっとキツいくらいに)
走行・・・と行きたいですが、雨は降ってる。
ですので、再び「日生駅」まで戻って、電車に。

「青春18切符」を使っているので、
乗り放題・・・これを生かして、移動です。

目的地は、以前の「片鉄イベント」でも行った、
「備前焼」の町「伊部」。
「片鉄」のスタートの「西片上」の隣町です。

「伊部駅」にて。

「伊部駅」は民間委託駅で、「備前焼伝統産業会館」の一部が駅、みたいな感じ。
改札を出て、すぐ左手に、お土産物の揃った「産業会館」と便利では有りますが。

雨の散策では邪魔になってしまう自転車は・・・駐輪場に、こんな感じで(写真:右)。


「備前陶芸美術館」です。

残念ながら館内は撮影禁止なので、
写真は有りません。

ここに来れば「備前焼」の歴史と、
著名な作家の作品を見る事が出来ます。

「伊部駅」のすぐ横なので、アクセスも便利。
入場料は大人¥500円です。


「旧山陽道(西国街道)」沿いに。

毎年10月に開催される「備前焼まつり」は
この街道沿いに、即売の出店が並びます。

雨の中、「備前焼」の販売店を見ながら、
ウロウロしました(笑)。

左の写真、塀の部分がショーウインドの様に
なってて面白い。


「天津(あまづ)神社」・・・「備前焼」に縁の有る神社なのかな。

雨の中、濡れて光る「備前焼」の敷板が目について、予定無しのブラブラ散策なので、立ち寄る事に。
灯籠脇に『天津の桜 三分咲き』・・・『う〜ん、桜、まだ早いのかな』と明日が心配(笑)。

「備前焼」で覆われた「備前焼神門」から、社殿へ。

屋根瓦、壁面、すべて「備前焼」で覆われてます。
釉薬を使わない「備前焼」の色は、窯で焼いた時の温度や土の成分で、こんなに多彩な色が出るのか。

社殿への階段脇の塀にも、陶板が埋め込まれています。そして、その上には・・・。

「備前焼」で作られた干支。

「備前焼」と言うと、一般には、花器や茶器、食器や瓶類と思われがちですが、
こう言う細工物も有名で、著名な作家(人間国宝の方も)の作品など、素晴らしいです。

他にも、12支が全て有ったのですが、他のは、是非、見に行って、と言う事で(笑)。

駅の方に戻って・・・「伊部」の案内板。

これを見ると、先ほどの「天津神社」の裏手が、
「備前北大窯跡」みたい・・・。

まだまだ見所が有る様ですが、天気も天気だし、
これらは次回の宿題と言う事にして、
本日は宿の「望月旅館」に向かいました。


またまた電車移動で「西片上駅」へ。

雨は、一時よりは弱まってますが、相変わらず降ってますね(笑)。
駅から「望月旅館」まで、そう遠くは無いですが、自転車を手に持って行くには・・・。

と言う事で、輪行を解いて、ゆっくり乗って行く事にしました。
shinさんの「Speed Pro」の向こうに、散策で使った傘が(笑)。


「望月旅館」着。

自転車は、今回も玄関の中の隅に。

本日の泊まり客は、我々だけの様。
部屋に入って、お風呂でユッタリ。

風呂上がりの時間を楽しんでいると、
良い頃合いに、晩餐の準備も整って。

今夜の御馳走は・・・。

舌平目の煮物、サヨリと貝柱のお造り、しらさエビ(芝エビ)の焼き物、タコの酢みそあえ、
に、トンカツ、コーンスープと、和洋折衷(笑)。
女将さんに、エビの名前を聞いたのですが、二人とも素面なのに、覚えれない。
何度も聞いてたら、3度目には『もう、教えない』と言われてしまった(笑)。

で、夕食後に、部屋で「伊部駅」の「備前焼伝統産業会館」で買っておいた、
地元のリキュールで、乾杯・・・自転車談義の後、しっかり就寝しました。

本日の走行距離:ほとんど無し(笑)。


<09/04/05・・・2日目>
明けて日曜日・・・まずは朝食から。

「備前焼」のコーヒーカップで、珈琲を飲みながら、パンの朝食。
大きなコップは、バナナジュースで、これから自転車をする身には、嬉しい内容。

ゆっくり朝食を食べて、清算して・・・消費税、サービス料込み¥8、640でした。


時刻は9時20分・・・さて「天瀬の桜」へ。

昨日の雨は、夜半には上がった様で、路面は所々が、乾ききって無いくらい。
日も射して来て、今日は、自転車日和になりそうです。

「望月旅館」の前の歴史的説明柱。この辺り、宿場の中心部に近かったからかな。


「宇佐八幡宮」と「西国街道 片上宿」。

昨日の「備前焼」の延長で、shinさんに、「備前焼」の狛犬を見せたくて、
「片鉄ロマン街道」の起点を通り過ぎ、立寄り。

神社前の道が「西国街道(山陽道)」で、ここも走ってみたいですね。


「片鉄ロマン街道」の起点です。

昨日、最後に電車から降りた「西片上駅」の下が、「片鉄ロマン街道」の起点。
実際の「片上鉄道」の起点は、海岸線なので、4kmほど、距離表記にズレが有ります。

さぁ出発!「天瀬の桜」の開花状況は、如何に?・・・気になる所です。


スタートしてすぐの坂が「片上鉄道」最大の坂で・・・。

28.6パーミル=100mで2.86m上がっているですから、それほどの坂でも。
鉄道自体、そんな急な坂を登れないので、鉄道廃線跡の道は、急な坂が無くて走りやすいです。

「片鉄ロマン街道」の沿線には、往時の写真が掲示されてます(写真:右)。


最大の坂を上がって「備前市サイクリングターミナル」。

「片上鉄道」最大の坂、と言いますが、「片鉄ロマン街道」では、往時の築堤が切り崩されたりして、
もう少し急な所も有ったと思います。

「備前市サイクリングターミナル」の桜の若木は、この程度の開花・・・あら、マズいかな(汗;)


「片鉄」最長のトンネル・・・「峠清水トンネル」。

何度も書いてますが、夏場は中を吹き抜ける風がヒンヤリして、最高の休憩ポイント。
でも、この時期だと、それほどの恩恵も無いので、写真を撮って、先に進みます(笑)。


「清水駅跡」・・・おぉ、良い感じに咲いてる!

駅と言えば、桜の木・・・なのかな? 写真では、綺麗さが少ない気がするなぁ。


「中山駅跡(何も無いですが)」までに見える、「大中山温泉」。

「和気」に向かって走っていると、左手に、灌漑用の溜め池が見えて、すぐに、有ります。
右の写真の場所で、「片鉄ロマン街道」から、直接、行けます。

今回こそ、帰りに入りたいなぁ・・・と、何とか入る算段をせねば(笑)。


「JR和気駅」にて。

左の写真の地下連絡通路が、往時の「国鉄」〜「片鉄」の乗り換え通路で、ホームに出たそうです。
だとすれば、土台の上端部分が、ホームのグランドレベルだったのかな?

「JR和気駅」のホームには、「三原」行きの列車が待機していました。


「片鉄」当時の「金剛川橋梁」を改造利用した橋。

ここで、shinさんから、疑問が・・・このすぐ隣の、道路を越える橋のすぐ横に、
橋台らしき物が有りますが、グランドレベルや、「金剛川橋梁」からのベクトルが合わない!
グランドレベル的には、なんとなく、かさ上げしている様にも見えるな。

「金剛川橋梁」の西に、桜のエリアが・・・公園でも有るのでしょうか?


「本和気駅」の駅名板・・・ですが、位置は違う様です。

往時の写真を見ると、駅舎の南側に鉄筋の建物が写ってますから、現、「北川病院」の北辺りかな?

駅の桜では無いけど、そこそこの樹齢の桜は8分ほど・・・よしよし、期待出来そうだな。


「鵜飼谷交通公園」の「和気ドーム」と、桜並木。

まだ、若木の桜並木なので、これから先が楽しみですねぇ。

「鵜飼谷交通公園」の前に「益原駅」の駅名板が・・・。

あれ?3月に来た時、こんなの有ったっけ?・・・記憶に無いんですよね(笑)。
「片鉄」各駅の、往時の写真や、職員の方の写真も有りました。
(駅名板、写真の板、共に、裏面も有るので、見てみてね。)


で、実際の「益原駅跡」は・・・?

写真の桜の木の南の農地が駅跡で、桜の木は、本物の「駅の桜」だそうです。
3月の記事で『ホームがコンクリートで固めた状態で残っている』と書きましたが、
塗り固めたコンクリートだけが、残っている、と言った方が良いでしょう。

右の写真、2本の電信柱の間の小道が、駅へのアクセスだったそうです。

写真の青い服のお父さんが、教えて下さいましたが、実は、この方、往時の駅長さん!
shinさんが、たまたま、その辺に居た、お父さんに駅の場所を聞いていて、分かったのです。
偶然の出会いとは、何と不思議な物でしょうね!嬉しくなってしまいました!!

帰路で確認しましたが、先ほどの「鵜飼谷交通公園」前の「益原駅」の駅名板の所の写真に、
お父さんの、往時の勇姿が写ってました。


「安全地蔵様」にお参りして・・・その先に!!!

「片鉄」往時から、安全を見守って来られた御地蔵様。当然、旅の無事を祈ります。

そして、その先を見ると・・・『おぉ〜〜〜〜!!!』見事に、ピンクの固まりの桜です!


念願の「天瀬の桜の下で・・・」成就(笑)。

ついに、この桜を見る事が出来ました。色々な季節に「片鉄ロマン街道」を走りましたが、
桜の咲いているのを見たのは、今回が初めてなんです。

上の2点は、お約束的な写真ですね(笑)。

開花状況は、満開一歩手前か?
でも、そんなの、この風景の中では、
どうでも良い事です。

下左の写真は、shinさん作。
桜に浮かれている私が写ってたり(笑)。

でも、写真だと、感動が薄いなぁ・・・。
もっと、インパクト有ったんだけどな。

左の写真が、「天瀬の桜・・・」を見たくなった理由。

「片鉄ロマン街道」沿いに有る、往時の写真の1枚ですが、この桜を見たかったんです。
右の写真、同じくらいの位置から・・・月日の流れで、桜の木も大きくなってますね。

天気も良いので、家族でのサイクリングも。

「鵜飼谷交通公園」から、レンタサイクルでのサイクリングの様です。
インストラクターの方も居て、小さなお子さんも楽しそうでした。うん!、いいねぇ!!
(「天瀬駅跡」まで、写真撮影とかしてて、何度か抜かれた 笑。)


沿線の桜たち・・・ちょっと並べてみました。

走れば走るだけ、桜が目を楽しませてくれました・・・来て良かったなぁ!


「天神山トンネル」「河本駅跡」を過ぎて、「吉井川」の河川敷を走る所。

ここにも桜の並木が続いてます。他の季節に走ってる時は、気にしてなかったな・・・。
でも、こうして見ると、素晴らしい。ここの桜は満開も過ぎて、花びらが舞って、良かったなぁ!


「備前矢田駅跡」の桜。

往時の桜の木では無い様ですね・・・「片鉄ロマン街道」が出来た後に植えられたのかな?
ここも、将来が楽しみですねぇ!

残されている信号・・・鉄道廃線跡ならでは、でしょ?

振り返ると、桜の駅構内・・・往時は、こんな風景を見ながら、列車が入って来たのでしょう。


サイクリングロードになったから造れた桜並木。

枝の張り出し具合からして、
鉄道が走ってる頃には無理ですね(笑)。

結構な距離、植えられてます。
この先、だんだん大きな木になって、
もっともっと目を楽しませてくれるでしょうね!


「苦木駅跡」です。

左が現在、右が往時。駅舎の右手の桜の木は、枯れてしまった様です。

「片上」方面からの列車を待つ様な感じで撮ってみました。

それにしても、綺麗に清掃された道だと思いませんか?
この「片鉄ロマン街道」は、正式には「岡山県道703号備前柵原自転車道」と言います。
で、凄いと思うのが、清掃や植樹などを、沿道の各地域が受け持っている事なんです。
写真:右は、「苦木駅跡」エリアを担当する「苦木駅美化の会」。

他の地域のサイクリングロードも、この方式で行えば、もっと綺麗になるんでしょうけどね。
もっとも、利用する我々も、何かしらの清掃活動を行うべきなんでしょうね・・・。


「杖谷駅跡」の碑。

「コンポスト・センター」になっていて、往時の面影は、有りません。この碑だけです。

対岸の桜の群落が、素晴らしい・・・そのうち、対岸も走ってみなきゃね!


「備前塩田駅跡」付近。

駅の跡と思われる土地には、
コミュニティセンターが建ってます。

その敷地の桜は、駅の桜じゃないかな。
桜の木のそばの、遮断機の警報機は、
往時の物を、移設して来たのでしょうか?

この後「備作大橋」を渡って「周匝」の町へ。


「吉井川第一橋梁跡」と「周匝」の町の廃線跡。

ここまでで、写真撮影に時間を使い過ぎて・・・良い時間なので、お昼に。
コンビニで、ランチを買って、ここで、食べました。

昼食後は、ここより「片鉄」の廃線跡とおぼしき道を「美作飯岡(ゆうか)駅跡」方面へ。
途中の川を渡る部分以外は、ほとんど、廃線跡が生活道路として残ってました。(写真:右)


小学校の桜・・・と思ってたけど、保育園みたい。

国道を渡って、「吉井川第二橋梁跡」の人道橋の近く。
shinさんが走ってる道が、廃線跡。往時も、車窓から、この桜が楽しめたのでしょう。


「吉井川第二橋梁跡」の人道橋から「美作飯岡(ゆうか)駅跡」。

荒れ果ててますが、上下線のホームが残ってます。1本だけの桜の木は、ほぼ満開状態。

下り方面のホーム・・・じゃないかな?

右の写真は、駅の北側に残る、踏切跡。線路は無いですが、ガイドって言うのかな、残ってます。


「片鉄ロマン街道」終点の「吉ヶ原駅跡」に到着。

若い世代のshinさんには、古い駅舎が珍しそうでした(笑)。
私でも、おぼろげにしか、記憶に無いですからねぇ・・・年齢差が分かるな(汗;)

「吉ヶ原駅跡」の撮影ポイントで、桜を入れての撮影。

個人的には、右の写真がお気に入り。桜の木が大きくなれば、もっと良いかも。

時間的に苦しくなって来たので、帰路に着く事に。(時刻は13時半)


写真:左・・・帰路の「天瀬駅跡」にて、休憩。
ここまで、往路の半分以下の時間で、走って来てます(笑)。

予定していた列車の時間は14時40分でしたが、往路の段階で、この素晴らしい状況では、
遅らせても良いかと、話し合ってましたので・・・3月に逃した「大中山温泉」にも入って。

風呂上がりで、風が心地良く「峠清水トンネル」へ向かうshinさん(写真:右)


起点の「西片上駅」に戻って。

この後、電車を乗り継いで、21時半に「尾張一宮駅」帰着でした。

ずっと見たかった「天瀬の桜」だけで無く、「片鉄」沿線の桜を総嘗めに出来たし、
往時の駅長さんにも、偶然会えたし、前日は雨だったけど、今年最後の「カキオコ」も食べれたし。
大満足の二日間でした。初「片鉄」を走破したshinさん、堪能していただけたのでは?

高速道路も休日¥1、000円なんてやってるし・・・夏じゃなくても、来るかな?(笑)。

本日の走行距離:約73.3kmでした。