#40:SPECIALIZED  ROCK HOPPER '06(アマテラスさん1号車)


昨年、オーナーに合ったポジションにし、乗り味を軽くする改造を施したのですが、
どうも、スタイリングが『普通の自転車みたいに見えて・・・』との事。
『「ルーベ」ほど、シュンって走るんじゃなく、もう少し走行感も軽く・・・。』
今一度、軽量化を含めて、見直す事になりました。

クロスバイクを、なんて意見も有りましたが、その辺りは、後ほど。
サイトでの紹介は、初めてなので、オリジナルの部分も合わせて紹介します。


左が、改良前、右が、改良後。・・・どうです?精悍になって、良い感じでしょ?

この状態で、11.7kg。オリジナルが13kg代ですから、大したもんでしょ?
手配し忘れたセンター・スタンドに換装すれば、11.5kg以下でしょう。

今回の改造にあたって・・・『普通自転車に見えるのは、何故?』ここを考察して、展開。

一つは、オーナーの身長に合わせたフレームサイズによるフレームの形状。
ホリゾンタルな通常のフレームに換装も可能ですが、これは、変えられない。
眺めてる分には、満足でしょうが、実際に乗って、不具合があっては、ね!

では、他には?・・・以前の改造で、走行感の軽さ体験で入れた「パナレーサー・パセラ」の
飴黒のタイヤ。これと、シルバーのホイールが、普通自転車っぽい。
考察の結果、さて、どうするかな?と・・・

<実際の改造の前に、完成予想画>

得意の合成写真で、完成予想画を作ってみました。

このバージョンは、「ギャラリー#1:ARAYA MF26RLWG」にも採用している、
「シマノ」社のXTグレード「WH-M770 リムブレーキ専用モデル」を採用した、軽量化重点版。
右側のバージョンは、さらに軽量化を進めて、Fサスに「ROCKSHOX SID」を想定したもの。

実質的には、軽量なんだけど、ただ黒いホイールに見えるだけで、インパクトが足らないなぁ。

このバージョンは、見た目のインパクトを強調したもの。

ホイールを、スポーク本数の少ない、スポーティで、『ちょっと違うぞ!』と思わせる物に。
採用したホイールは「シマノ」社の「WH-M540」。以前、アラヤで使用していたものです。
そして、右側のバージョンは、上右と同様、Fサスに「ROCKSHOX SID」を想定したもの。

オーナーと相談した結果、この左のバージョンで行く事に決定!
Fサスはフレーム同色なので、極力生かしたいとの事で、見送りに。

では、以下に、改良点について、オリジナルのままの部分も含め、紹介して行きましょう!


オリジナルのままですが、Fサス・・・「ROCKSHOX J3 SL

「La Femine(かな?)」と有る様に、女性向けの、この車体専用品。
このフレーム同色のサスは、オーナーのこだわりの部分ですので、そのまま残しました。

「ポップ・ロック」機能も付いていますので、任意に堅さを変えたり、ロックアウトも可能。
重量は、メーカー公称値、2kg弱。左レッグ・トップにスプリングの固さ調整も有り。

軽量化策:1・・・クランク交換

「TRUVATIVE」社の、四角軸BBから「シマノ」社の「XT-M770」へ。
重量の変化は、1,113gから845gで、マイナス268g。

フロント・ディレーラーは、「SRAM」社の「3.0(たぶん)」。
シート・ステーアングルが66−69°の設定ですが、大ギアとの関係からすると、違うみたい。
でも、変速性能は、ちゃんと確保されてます。


軽量化策:2・・・ホイール&タイヤ 交換

軽量化の目的も有りますが、見た目のスポーティさを狙っての変更でもあります。

ホイールを「シマノ」社の「WH-M540」に、「パナレーサー」の「Stradius Elite Lite」の
26×1、25、チューブは同社の「R-AIR」。

オリジナルのホイールとの比較は、
F:1,318g→1,192g R:1,576g → 1,436g(クイック含まず)。
クイックは「XT-WH-M770」の物を使用し、前後合計 152g → 123g。
トータルで、改良前より、マイナス295gとなりました。


軽量化策:3・・・シートポスト交換

これも、見た目のスポーティさを狙って。
でも、軽量化も行ってます。

オリジナルから「SYNCROS」社の物へ。
アラヤでも使ってますが、217gと、
まぁまぁ、軽量な物。
カーボンは、もっと軽いのでしょうが、
何かと、面倒で・・・。

重量変化は、374g → 215gと、
マイナス116g!


ハンドル周りです。

シフターは「SRAM」社の「X-7」。結構、軽快に動きます!
ステムは、ノン・オリジナルで、「grunge」の120mm。
もともとのポジションは、ハンドル位置が高く、お尻に荷重が掛かり易い為に、変更してます。
ハンドルバーも、小柄なオーナーに合わせて、詰められる最大の520mmにしてます。

まだ、最適ポジション出しの途中なので、ワイヤー類は、今後、整理しなきゃ、です。


リア周りです。

リア・ディレーラーは「SRAM」社の「SX-5」。
リア・カセットは、8速当時の「デュラエース」!
クロス化して、町乗り時の、ギアの繋がりを考慮してます。


<何故、クロスバイクを新規導入せず、改良としたか?>

オーナーは「スペシャライズド」社の「ルーベ」と言うロード車を持っておられます。
そして、この「ROCK HOPPER」は乗り易く感じており、見た目と重量に不満が有るとの事。

まず、クロスバイクとは、何か?

クロスバイクの自転車全体でのポジショニングは、ロードとMTBの中間的な物
確かに、ロードの様に走れ、ロード程、特殊なポジションでは無い。
(要はドロップ・ハンドルによる前傾度のキツさが無い。)

ですが、フレームのディメンションや強度の関係から、後々、ロード車に改造出来る訳でも無く
(フラットバー・ロードは可能ですけど)、MTBの様に里山を駆け巡れる訳でもないのです。
つまり、中間的で、今後の『遊び』への発展性に疑問が有るのです(よりロード、よりMTB)。

また、初心者向けで、MTBより、乗り易いと言われているクロスバイクですが、
700Cのサイズは、MTBに細いタイヤを履かした物より、漕ぎ出しの重さがあるのは、
あまり知られていません。

ペダルの位置を『力点』、タイヤ中心を『支点』、タイヤ接地点を『作用点』と考えてみれば、
同じクランク長で仕事をさせるなら、タイヤ形が小さい方が、力が少なくて済む事が
理解いただけるでしょう。(てこの原理です。小径車の漕ぎ出しが軽い理由が、これです!)
初心者の方は、パンクを恐れると思いますので、ロード並の細いタイヤは敬遠するでしょう。
だとしたら、漕ぎの重さは、余計に感じるはずです。

以前は、MTBに履ける細くて良いタイヤが無かったので、クロスバイク並に走る事は出来ず、
ロードに比べて走行感が重い、と言うのも有ったかもしれませんけどね。

軽量で漕ぎの軽いクロスバイクとなると、概ね、履けるタイヤが、28Cまでのフレームです。
となると、「ルーベ」の存在が?となる訳で・・・。
であれば、このオーナーの場合、「ルーベ」が有るのですから、ここで、クロスバイクの導入には、
疑問が有った訳です。

改良なった「ROCK HOPPER」は乗り易さは、そのまま、見た目が良く、軽量となった訳です。
後は、オーナーが楽しんでいただければ、と思っています。