#43:ARAYA Muddy Fox MF26SSK '98(タイガーさん3号車)


「祖父江イチョウ」のイベントの際に、ルーベさんから譲っていただいた、
同車のレストアが完成しましたので、アップです。

コンセプトは「旧車を楽しむ」です。
本当は、オリジナルに付いていた、当時の「LX」で組む予定でしたが・・・。


完成した姿です。

撮影当日が曇りだったので、今ひとつ、フレームの美しさが出てませんね。
ですが、実車は、アルミ材(7000系)を磨き上げた独特の美しい光り方をしてます。

主要コンポは、「シマノ」社の「XTー750系」です。
当時のLXで組む予定を変更した時点で、フロントサスも、以前、事務長アラヤに使っていた物に。

この状態での、車両重量は11.7kg。まぁまぁ、軽量な部類に入るのでは?


ハンドル回り。

ブレーキレバーは、オリジナルに付いていた、当時の「LX(BL−M600)」。
その後も、色が変更されて、長く流通してましたね。

シフターは、9速化に伴い、現行の前のモデル「LX(SL−M580)」。
押しても引いても、シフトアップ出来る物。

ハンドルバーは、「グランジ」社の安くて軽量な物。
絶対強度は高く無いかも・・・ですが、まぁ、遊びに使うには、これで十分でしょ。

ステムは、「グランジ」社の「タフェックス ステム(80mm)」。

バーエンドは、「タイオガ」社の「「パワースタッド5」です。


フロント・サスとブレーキ。

オリジナルは「ROCK SHOX」社の「Indy C」でしたが、コンポを9速化しちゃうので、
これも変更。これも事務長アラヤに付いてた、同社の「Duke C」。
見た目がゴツくなるのですが、気になる重量の変化は、1,600g → 1,675g。

Vブレーキは、当時の「シマノ」社「LX(BR−M600)」。軽量ですが、効きは十分以上。
実は、これ、今も事務長アラヤの後輪に使ってます。

ブレーキシューは、経年変化で、硬化してしまってましたので、「SERFAS」社の「BPS-300」へ。
値段が安い(定価:1台分¥1,996円)ですが、「シマノ」社コンパチですし、
船の表面仕上げも、「シマノ」社の「XT」並の出来映えなんです!


クランク周り。

クランクは、「シマノ」社の「XT(FC−M750)」。
以前、事務長アラヤで使用していた物で、PCDが100mmで、販売期間が少ないレア物。
(本当は、出したく無かったけど・・・ま、アラヤが蘇るなら、と言う事で。笑)

フロントディレーラーは、「シマノ」社の「XT(FD−M750)」。
事務長アラヤ用の補修部品として、ストックしていた物。

9速化を決定付けたのは・・・(笑)。

黒いポツポツとした錆びが浮いていて、みすぼらしかったクランク「LX(FC−M563)」。
写真の様に、かなり綺麗に磨き上げましたが・・・あっ!175mm?

えぇっ〜!これは・・・使えない。
この長さだと、180cmくらいの身長じゃないと、長過ぎます!

と言う訳で、「XT(FC−M750)」の出番となったのです。よって、9速化!


リア駆動系。

リア・ディレーラーは、「シマノ」社の「XT(RD−M750 GS)」。
以前、誰かのバイクに付いてたヤツ・・・誰のだろう?(笑)。

リア・カセットは、「シマノ」社の「XT(CS−M750)」。

当時の「LX」等に採用されていた
「ローラークラッチ・フリーハブ」。

空走状態で『チリチリ』音がしません。
「シマノ」社の当時の売り文句は、
駆動力の立ち上がりの素早さと
耐久性を併せ持ち、あわせて静粛性を
持つと言う優れものでしたが・・・。
いつの間にか、消えてしまいました(笑)。


ホイールとタイヤ。

ホイールは、当時のオリジナル。「アラヤ」社の「RM−915 DH」。
ダウンヒルやデュアルスラローム(今も有るのかな?)にも使える高強度の物。

さすが、リムメーカーの自転車に付いていたホイール。
ステンレスのスポーク、高品質のアルマイトのリムで、錆びは殆ど有りませんでした。

タイヤは「パナレーサー」社の「Razer MXPR1(26×2.3)」。ですが、サイズは、2.1並。
タモさんMTB → 事務長アラヤ → このバイクと、お古のお古ですが、
遊ぶには、この程度でも十分!


リアのブレーキと、特徴的なフレーム。

リアのVブレーキも、フロントと同じ、当時の「シマノ」社「LX(BR−M600)」。

当時の「アラヤ」社のフレームの特徴的な部分が、上の2枚の写真。
「Wウイッシュボーン・フレーム」と呼んでいました。その特徴は・・・。
トップチューブがそのままシートステー部分まで、延びています。(写真:左)
チェーンステーの前端(BB後端)部が、U字型のアルミのムク材で構成されていて、
ホイールクリアランスを確保しながら、420mmのリアセンター寸法です。(写真:右)


<レストア雑記>

ここからは、レストアの過程について、ちょっと書いてみます(笑)。

こだわって残した、当時のステッカー。

今時、10年も前の、オリジナルの
ステッカーなんて残ってる訳が有りません!

と言う訳で、マスキングをした上で、
ダメージの有ったクリア塗装のみ、
削り落してあげました。

写真では、光の加減で、輝きが今一だなぁ。


古いクリア塗装独特のダメージは・・・。

古いクリア塗装は、左上の写真の様に、
細かいクラックが入ってしまいます。
この原因は、紫外線なんですが、
こうなっては、何ともなりません。

で、思い切って削り落してしまいます。
使用したのは「3M」社の研磨スポンジ。
1枚¥200円弱ですが、耐水ペーパーとは
違って、細かい凹みにも追従するので、
作業性が違います!


「3M」社の研磨スポンジで磨いて・・・コンパウンドで磨きます。

冒頭に書いた様に、オリジナルのステッカーをマスキングテープで保護して、
「3M」社の研磨スポンジでクリア塗装を落します。(上下、左側の写真)

#240 → #320 → #800 → #1200と磨いてあげます。
コツは・・・力任せに削らない事。不要に深い傷を残してしまいます。

それから、コンパウンドで、磨き上げます。(上下、右側の写真)

使用したコンパウンドは・・・。

下から、粗目、細目、微粒子。

一番上は、「金属ピカール」。
良く、仏壇の掃除なんかに使われてます。
どれも、ホームセンターで入手可能。

先ほどの「3M」社の研磨スポンジも、
ホームセンターで入手出来ますね。


ステッカーの境目は?

マスキングをしている段階では、ステッカーの厚み+マスキングテープの厚みで、
若干、塗装が残ってしまいますが、コンパウンドで仕上げる際、マスキングテープを剥がして
作業していれば、殆ど、目立たなくなってくれます。


コンパウンドで磨きあげたら・・・。

そのままだと、人の油、空気中の水分、酸素による酸化・・・等々で、くすんで来てしまいます。
最悪の場合、表面を保護する物が無いので、深い錆なんてのも・・・。

そこで、表面に酸化皮膜を作ってくれる、優れものを使います。

「ネバダル」で、表面に酸化皮膜を生成。

商品名「ネバダル」です。
研磨剤と酸化剤の入った、綿が入ってます。

これを小さくちぎって、フレームを軽く
(ここ重要です・・・軽く、なんですよ!)
磨いてあげます。

表面が油で汚れた様になりますので、
ウエスで拭き取り、ちょっとだけ放置、
最後に綺麗なウエスで、磨き上げて行きます。


作業環境・・・と言っても、自室ですが(笑)。

この時期、外は寒いです。頑張ってレストアなんてして居ようものなら・・・風邪引きます。

で、暖房の効いた部屋の中でレストア。
ですが、家族の目は・・・冷たいかも、ですよ(笑)。

チェーンステー周りを磨く際、写真の様な展示スタンドは、リアのクイックに固定するので、
ホイールが邪魔になって出来ないでしょ?

私は、輪行の時に使う、リアエンド保護を取り付けて、それにスタンドを掛けて行なってます。
これなら、かなりの部分が、このままで作業出来ますからね!

と言った具合にレストアを楽しみました。
天気の悪い時、寒くて乗りたく無い時(趣味だもの、それもいいでしょ? 笑)、
レストアに没頭してみる・・・なんてのも楽しいですよ!

(注)アルミフレームの磨きを紹介していますが、誰でも簡単に・・・と言う訳では有りません。
それなりの技術と経験は必要です。行なわれる時は、自己責任で、お願いします!