Report#21:DAHON用 フロントW化ステー、作ってみました!


事務長3号車のHELIOS P8の、フロントW化の為にディレーラーステーを製作いたしました。
購入時から造ろうと思ってましてが、念願かなって完成しましたので、報告いたします。

A2017ジュラ板からの、ワンオフ削り出しの自作品です。


制作途中の写真です。

締め付け部分ができて、フレームに固定
できてますが、まだ、ディレーラーの
取り付け形状になってません。
Fディレーラーの最適位置を検討中です。

チェーンにぶら下がっているのが、
アルテグラの直付けFディレーラー。

この時、クランクのオフセット量も
検討しています。
オリジナルBBの118mmに対して
113mmを選択しました。


完成した、直付けFディレーラー固定用ステー。見栄えにはこだわって制作してます!!
オリジナルの自転車の精度感や美観を損なうのは、性能が出ても改良とは言えないですからね。
常に、メーカー制作レベル以上を目標にしてますよ〜。

材質は1000系のアルミ材。取り付けによる、フレームへの攻撃性と加工のし易さを考慮して、
硬い材料は使ってません。ジュラ(2000系)の方が、バフ仕上げの見栄えは良いのですが。

信じられないでしょうが、あえて、フライス盤や旋盤は使ってません!
総て、ボール盤とコンタマシン(帯ノコ)とエアリューターのみです。
仕上げはサンドブラスト処理で、質感アップしてあります。
つまり、ブラスト処理以外は、特殊な機材が無くても、その気になれば、誰でも造れます。
(ただし、精度を出す為の注意力と、根気は入りますよ!)

完成した、フレーム側のシフトワイヤー留め。

スピードですとVブレーキのアウターを通す部分があるので、そこを利用できそうですが、
ヘリオスの場合、フレームにワイヤーアウターを固定する物がありません。

そこで、スタンド取り付けボルトに共締めできるステーを20mm幅で2mm厚のSUS304の
帯板から制作しました。
アウター受けはVブレーキ用のバナナの45度の物が、角度的に良さそうなので使用しました。
ワイヤーへの水の侵入を防ぐ、ラバーノーズはXTグレードのVブレーキセット等に付随の物です。


車体に取り付けセットアップした状態です。
すっきりときれいに収まってるでしょ?変速性能も充分以上の物ですよ。

今回,MTBのシフターを使用しています。通常、フロントのみですがロードSTIと
MTBのシフターでは、ワイヤーの引き代が違うので、ロードのSTIでMTBのディレーラーは
使用できないのですが、逆は可能なんですよ。
ただし、インナー時、シマノの指示より、ワイヤーを弛ませてセットする状態になります。
要は、1クリック時にアウターの位置にディレーラーが来れば良いのです。

*ロード用のFディレーラーとMTB用では、ワイヤーを留める部分とその回転中心の長さが
違うので、使用可能/不可の問題が出て来るのです。
ロードのフラットバー用のFディレーラーとは、まだセッティングした事が無いので解らないです。


フロントW化で気になるチェーンラインの話をしましょう。
上の写真はフロントアウター時の、リア最小/最大時のチェーンライン。

フロントアウターで、リア最大ギアでは、かなり苦しいです。
が、使用に際してのチェーンのゴリゴリ感は無いです。
ただし、この状態でクランクを逆転させると、リアギア3速位置にチェーンは落ちてしまいます。
が、そう言う使い方は無いですし、フリーが有るハブでは、走行に問題は無いと判断しました。
通常使用での、フロントインナー×リア最大ギアでの使用性を重視してあります。

BBを113mmから110mm以下にすれば、多少は、この問題は多少は改善されます。
(ただし、Fディレーラーのリンク部分とフレームとの隙間がなくなります。)

フロントインナー時の、リア最小/最大時のチェーンライン。

まったく、問題無いです。
オリジナルのチェーンラインより、フロントギアの位置が内側に2mm入った計算になります。
これにより、オリジナルのリア最大ギアでのチェーンラインの苦しさが解消されています。


<走行して>

この仕様で、イベントにも出かけました。
思った通り、登り坂で楽に登ってくれます。
変速性能も、きちんと出てますよ。
トラブルはいっさい無しでした。

今回製作してみて、同様にすれば、ほとんどの
自転車にフロントW化が可能だと思いました。
今度、他の車種でもトライしてみたいですね。

制作オーダーは・・・考えますよ!(笑)
*業務多忙につき、しばらく休止いたします。


<多車種用の開発状況報告:その1> 2005/02/06

先日、メンバーのミツくんの「ヤマホン」用を製作し、取り付け完了いたしました。

現在の開発は「BD−1」用と「ブロンプトン」用を進めております。

「ヤマホン」の場合、フレーム材質以外は
ダホン製と同じですので、ヘリオスと同じ
物を使用しています。
但し、シートチューブ径が39mmですので、
0.5mmのスペーサーを使用しています。

シフトワイヤー・アウターの固定方法も
まったくヘリオスと同じです。
BBサイズもヘリオス同様にオリジナルから
68/113mmに変更しています。


現在、BD−1用とブロンプトン用を開発中です。

上の画像は、製作前にディメンションの比較を写真にて行ったものです。
これを見ていただくと解ると思うのですが、2車種共に、ほぼダホンと同じディメンションです。
(車体が傾いて比較してあるのは、重要なのがチェーンステーとシートチューブの角度だから。)
ですので、基本設計を共通で製作しました。
ブロンプトンのみシートチューブ径が38mmですので、製品は1mmスペーサーを使用する予定。
(試作品は39mmヤマホンサイズにて製作、0.5mmスペーサーにしてます。)

シフトワイヤー・アウターの固定方法は、両車共にBB回りに使える物が無いので、BBサイズを
73mmシェルケース用を使用して、専用のステンレスのステーを挟み込む予定です。

BD−1は熊さんの物で進行中、ブロンプトンはぴろたさんに取り付け検討を依頼しております。

さて、一般市販ですが、受注生産にて受け付けます。メールにて御相談ください!


<多車種用の開発状況報告:その2> 2005/05/29

ぴろたさんから「青ブロ」のフロントW化完了の報告をいただきました。
合わせてリアも8速化されたそうで、『世界最強のブロンプトンになったのでは?』と思います。
詳細はぴろたさんのH/Pの「Bicycle 自転車置き場 OEM Brompton L3」の方でどうぞ!

奇麗にまとまってますねぇ〜!確実な仕事です!!
全体の色使いなど、センス良く素敵です。さすが、ぴろたさん!。
最強のブロになりましたね!峠に出没する日も近いのでは?

BBはシマノ社の「UN−51」系、シェルケース73mm、軸長127mmを使われてます。

本来、ブロンプトンのシェルケースは68mmですが、アウターワイヤー受けを挟み込んで
使用する為の選択なんです。


肝心のフロント・ディレーラー部。梨地のブラスト部分が製作したディレーラーステー。
取り付け径以外は、基本的にヘリオスの物と同じです。

リアの変速機が「インター8」と言うシマノ社の内装8段ですので、チェーンラインもすっきり!
ヘリオスで気になった、クランク逆回転でのチェーン外れも発生しません。
(走行に問題無くても気になっている部分ですが、改善方法が無いんですよ。)


唯一の問題点が、これ。

BBシェルに挟み込んで使用する
ワイヤーアウター受けが短くて
ワイヤー配策の自由度が無い。

この原因は折り畳み機構への干渉を避ける為、
現車が無い所でミニマム寸法で製作した為です。

このままでも、変速性能は確保できるのですが、
無理が有るのは美しく無いですね。
今度、寸法を採って再制作しますね。