Report#27:MTBのFD新旧比較と長期使用時の摩耗状態。


「ギャラリー#1:ARAYA MF26RLWG '97(事務長1号車)」にも書いてますが、
いくら耐久性の良い「シマノ」社の製品も、7年も使うと不具合が出て来る様です。

昨年末、ミツさんと里山ポタした際に、リアギアが真ん中辺りで、フロントが
ミドル→アウターへの変速が悪い。

帰宅してチェックしていた所、ディファレンシャル・プレートが摩耗してました。
で、48Tのクランクと言う事も有り、最新のFDに交換したので新旧比較をしてみました。


まずは、新旧フロントディレーラーの比較。

左の写真、左が現行の「FD-M770」で、右が7年使用して来た「FD-M750」。
ちなみに重量は「FD-M770」が154g、「FD-M750」が124gで、+30g増。

現行品は、比べるまでも無く、ディファレンシャル・プレートのリンク幅が広がってます。
これにより、ディファレンシャル・プレートがチェーンを押し上げる際、変形やたわみを解消してます。

もちろんディファレンシャル・プレートの形状も変速性能を突き詰めた形になっていて、
また、48Tのクランクにも対応していて、もたつき無く、軽い力でスムーズに変速してくれます。
この辺りは『さすがシマノ!』です。

では、何故、良いのが分かっていて、今まで現行品を使用しなかったのか?なんですが、
これには、理由が有ります。

右の写真をの赤丸部分。ディファレンシャル・プレートの後端部分なんですが、
「FD-M750」はネジ式で、現行の「FD-M770」は、リベットによるカシメなんです。
つまり、現行品は、分解清掃の際、チェーンを切らないと脱着出来ません。
ロード用のフロント・ディレーラーは、ネジ式のままなんですけどね。
まあ、リンク式のチェーンジョイントを使えば良いのです。(今ひとつ、信頼してませんが 笑)

もう一つは、「FD-M750」はシートパイプの太さ(26.8、31.8、34.9mm)別に、
また、シフト・ワイヤーのルート(上引き、下引き)別に、
トップスイング式だけでも、合計6種類有ったのです。
しかし、現行品では、34.9mmのシートパイプ1種類のみで、スペーサーを入れての対応。
また、シフト・ワイヤーは、上下引き対応となり、無駄な部分が多く美しくない(笑)。

ディファレンシャルのカシメ止めは、性能面での恩恵も大きい(でも最新デュラは外ネジで対応)
でしょうが、取り付け径とワイヤールーティングに関しては、メーカーやショップの在庫管理上の
都合としか思えない。
もっと下位グレードならともかく、XTRでさえ、そうなんですよね・・・。
やはり、自転車の部品は『シンプルで美しく!』だと思うんですけどねぇ。^^


次に、長期使用に寄るディファレンシャル・プレートの摩耗状態です。

左の写真の上が使用品、下が、交換してテストした同じ「FD-M750」の新品ストック品。
使用期間は、7年で4,000km程。
(新品ストック品ですが、変速テストにより、すでにチェーン摺れ傷は付いてます。)

右に拡大した写真を作ってみました。左が使用品、右が新品ストック品。
ミドル→アウターにチェーンを押し上げる部分が、逆三角形に凹んでます!!

通常、使用していて、変速性能がおかしくなる場合は(前後共にです)、

1:チェーンの汚れ、潤滑不足
2:変速機の取り付けの狂い(ダメージに寄る変形、位置ずれ)

を疑うのですが、今回の場合、チェーンはポタ前に洗浄・給油済み、
取り付けに関しては、帰宅後、位置も含めた調整をしましたが、改善されなかったのです。
で、バラして見比べた結果が、上の写真です。

使用期間を7年と書いてますが、この部品自体、中古品ですので、実際の走行時間/距離は分かりません。
もっと短い使用期間でも、こう言う場合も有りますので、定期的に目視点検をするのが良いでしょうね!

なお、その他の経年劣化については、
リンク部分のガタも無く、良好です。

左の写真の左が、ストック品。右が、使用品。
ストック品の取り付けネジが黒いのは、
現行品を付ける際に、好みで変えたから(笑)。

今回の場合、クランクギアが48Tですので、
特に、変速性能に不具合が出たのかもしれません。
通常の44Tのセットなら、問題無しに使えるか、
今度、試してみましょう。