#132:「中山道辿りポタ(木曽福島/南木曽 編)」(06/09/30)<前編>


以前、手に入れた『中山道を歩く』と言う本を見て、興味は有りました。
が、しかし、どうも「妻籠」「馬籠」「奈良井」と言った、『観光地化された宿場を
訪ねてもなぁ・・・』と言う気持ちの方が大きかったのです。

ところが、この夏、クルマのイベントで「松本」に行った帰り、ふと立ち寄ってみた
有名で無い宿場の風情に惹かれて、自転車で訪れてみたい気持ちになりまして、
ずっと、計画を練っていましたが、ついに行って来ました。
今回は、ミツさん、ツッチーさんに同行いただき、輪行にて楽しんで来ました。

メジャーな宿場以外の風情や、色々な人や物との出会いも楽しめました。
今後も『中山道を辿ってポタ』、続けてみたいです。

今回は、中身が濃いので前編、後編に分けています。よろしかったら続けてどうぞ!


これが「中山道」に興味を持たせた「山と渓谷社 歩く旅シリーズ古道・街道『中山道を歩く』」。
歩きを基本に書いてありますが、自転車でも十分以上に参考になります。

と言う訳で、物見遊山のポタで走れる距離と、走行する地形の勾配から計画すると、
「木曽福島」をスタートとして「南木曽」まで、時間が有れば「妻籠」にもと言う企画です。

ネットで輪行の時刻を調べた結果、なんと朝6時前の列車でないとダメな事が判明。
(次の列車だと「木曽福島」着が11:47になっちゃうんです!)
でも、そこはもう、行きたいばかりなので、「尾張一宮駅」発 5:53の列車に乗り込みます。
列車を待つホームには、ほとんど人が居ませんでした。

「名古屋駅」にて「中津川」行きの列車(直通は無いのです)に乗り換えます。
ホームの売店で何か買って行こうかと思ったのですが、6時過ぎの早朝では営業していません。

今回、同行していただいたミツさん、ツッチーさんは、それぞれの都合の良い駅から合流。
自転車は輪行袋に入れて、車いすスペースに固定します。

「中津川駅」にて乗り換えます。到着ホームから、発車するホームへは跨線橋で渡ります。
今はほとんどの駅に「バリアフリー」のエレベーターを完備しているので、担いで階段を上り下り
しなくて済みます。・・・が、乗り換え時間が短いので,下りは担ぎました。

車内では、車いすスペースが見当たらなかったので、こんな感じでした。

「南木曽駅」で、後発の「特急ワイドビューしなの」の通過待ちに10分程停車。
その間、ホームに降りて写真を撮ったり、時間を潰します。

「中央本線」と言いながら、「特急」の止まる駅ですら、1時間に2本。
止まらない駅だと、下手すると2時間に1本、と言うダイヤ。
さらに、普通列車だと「ワンマン運転」+自分でドアを開けると言う、
珍しい体験が出来ます(笑)。

「木曽福島駅」到着。約3時間強の列車旅は、ここで終わります。

駅前にて、自転車を組み立てて、向かいの観光案内所に向かいます。
もちろん、ポタの前には、ネット等で事前に下調べをして行きますが、
街巡りをする際は、観光案内所で詳細マップをもらう方が、詳しい情報も手に入って便利です!


観光案内所でいただいた「中山道」の詳細地図。

「木曽福島」の街を回る為のマップの他、情報パンフを入手しました。
そして、「木曽福島」の後、「中山道」を「南木曽」方面へ向かうと言ったら、
これをいただきました。

今回のポタでの一番の収穫かも・・・なんと手書きのコピーに色鉛筆で、塗って有ります!
ここの職員さんの手作り品で、実際に歩かれた情報を元に書いてあります。

これを元に、今日のポタは進む事にしました・・・名付けて「中山道バイブル」。


まずは、「木曽福島」の街巡り。・・・「上の段」と呼ばれる界隈へ。

路地をこちょこちょと走って行くと、古い民家を改造したお店が有ったりします。
もちろん、他にも歴史的な物も多く有ります。

「なまこ壁」の土蔵風の建物の前に、勢い良く、水が流れ出ている物を発見!

ツッチーさん、ボトルに詰めようとしていますが・・・これ、飲めないんだって!残念!!

その並びに有る「肥田亭 和庵(ひだてい なごみあん)」さん。

実は、こちら、昔、お世話になった方が出されているお店でして、久しぶりにお会いしたくて。
立ち寄らせていただいたのですが、販売されている方のお店におられるそうなので・・・。

後で、販売されているお店に寄らせていただく事にしたのですが、つい、ショーウインドウの中の
こいつらの誘惑に負けて・・・「そば饅頭」と「栗子餅」をいただきました。

*現在、「芳香堂」さんは、こちらのお店の営業を止められまして、和風創作料理の店として、
 他の方が営業されてます。
 「そば饅頭」と「栗子餅」が気になった方は、後述の「芳香堂」さんの方へ、お願いいたします。

「甘味処 肥田亭 和庵」 住所:長野県木曽郡木曽町福島5248 電話:0264-24-2480


「木曽福島」に有る、2軒の造り酒屋の一つ「七笑酒造株式会社」さんの直売店。
お店の前のショーウインドウには、オリジナルブランドの商品が展示されてました。

時刻は、まだ10時前なので、試飲を御願いする事も無く、外から眺めるだけにしました。


「木曽福島関所跡」です。自転車に乗った門番が二人?(笑)

右の説明板の下の色の着いている部分は、この関所跡の下を通る、
旧国道19号拡幅の為に削られて有りません。

関所の水場と、関所資料館。

関所資料館は、入場料が要りますが、中には「通行手形」などが展示されているそうです。


「上の段」を巡る道には、季節の花、
コスモスが咲き乱れていたり・・・。

気持ちがホッとして、癒されて行きますね。
こういう小道が、いっぱい有りました。


「久昌院」と「大通寺」。どちらも山門の上に鐘楼が有る。この辺りのお寺には多いのでしょうか?

山門の前で仁王立ちのミツさん。実はある呪縛が有ったのですが、ここで解放されて喜びの姿。


路地で見つけた、当時からの井戸。

今現在は使用されていませんが、
その姿は、昔のままの様です。

実はここ、最初に通っているのですが、
登りの途中だったので、目に入って
ませんでした。(笑)


「下の段」に下りて来て。蕎麦で有名な「くるまや本店」さん。

圧倒される様な、立派な建物です。道路に面した部分に有る「歯車」の看板(?)は、
代官屋敷の御用達として、水車小屋でそば粉を挽いていたからだそうです。
ここで、まだ10時半なので、今回は、お蕎麦は諦めます。


「木曽福島」の街の真ん中を流れる「木曽川」のほとりの「親水公園」の足湯。
誰も居ませんでしたが、木製の蓋の下には、ちゃんと湯が有りました。(温泉ですが塩素臭かった)

すぐ横の橋は「行者橋」。昔はここから「御岳山」へ登って行ったそうです。
橋の欄干の両端の部分は擬宝珠では無く、錫杖の先の飾りでした。

橋の上の怪しげな行動のミツさんは・・・・

「木曽福島」の街の姿を表す、
この写真を撮っていたのです。

『木曽福島は、谷底の街』、
その言葉を見事に表していますね。

どことなく、「郡上八幡」に似ている様な。

駆け足で回って来た「木曽福島」。
まだまだ見たい所も有るのですが、
今日は先が有るので、これくらいに。


駅前近くに戻って
「そば饅頭本舗 芳香堂」さんへ。

朝、立ち寄った「肥田亭」さんの本店。
こちらで、昔お世話になった懐かしい方と
20年ぶりに、お会い出来ました。

ミツさん、ツッチーさんには
御付き合いいただいて、どうもです。
そば饅頭をお土産に購入していただきました。

「芳香堂」 住所:木曽福島町八沢5352-1
      電話:0264-22-2134      


駅前に戻って「御岳神社」。・・・ここから、「中山道バイブル」にそって、ポタを始めます。

「御神水」は、なんとセンサー付き。そばに寄ると水が流れ始めます!凄い!!


「中山道バイブル」に寄ると、駅前の道を進み木曽町役場に突き当たると、下り坂・・・。

その下り坂が、これ!細い小道をゆっくりと下って行きました。

塩渕公民館前にて。・・・一里塚跡の碑です。

江戸へ70里、京都へ68里。キロに換算すると、江戸約280km、京都約272km。
昔はこれを歩いた訳ですから・・・。我々は自転車で、その一部ですが辿ってみましょう。


現在の国道19号は、交通容量の増加を狙って、随所でバイパス化が進んでいます。
左の写真も、それによって取り残された旧国道の様です。クルマが通らないので、走りやすい!

右の写真は、旧々国道と言えば良いのか・・・明治43年に作られたトンネルです。


杉木立の中に有った「御岳遥拝所」。旅の途中「御岳山」にお参りに登れない人の為に、
「御岳山」を見て拝む為の場所だそうです。が、木立に覆われて、見えそうも無かった(笑)。

「木曽のかけはし」にて。

国道下の石垣の部分がそうです。「かけはし」と聞いて、橋を想像していたのですが、
実際は急峻な岩肌に巡らされた「桟道」です。当時の石垣が部分的に保存されているのです。

最下段の石垣がそうらしいです。

この辺りは、少し上流で「御岳山」から流れ出て来る「王滝川」が合流していたので、
激流だったそうで、当時の旅では、命がけだったでしょうね
今はダムが出来ているので水量は少ないですが、川底の岩の形が証明しています。