#35:YRT062(ヤマホン)改’04(ミツさん)


「ちゃりき!」へ参加するきっかけとなった、ミツさんの始めての自転車です。
株式会社山新で販売されていた台湾製の20インチ折りたたみ自転車で、通称YAMAHONです。

今回は、より走行性能の向上を図り、輪行時の快適性のアップが狙いの改造です。


←オリジナルのYAMAHON。

特徴は何といってもその価格で、
たったの14800円!

ですが、フレームはDAHONのOEM品なので、
コストパフォーマンスの高い自転車です。
これをベースに、数々の改造を施しています。

今回の改造はハンドルのブルホーン・バー化と
それに伴うリア9速化です。


改造後の姿・・・もはや、オリジナルの面影はフレーム、シートポスト程度です。

この状態での車体重量は約13kg。オリジナルの14kgオーバーを考えれば、◎でしょう!

小径車をブルホーン、あるいは、ドロップ化するメリットは、ハンドル入力位置をステム中心から
車体前方へ移動する事で,ハンドルへの入力をダルにできるので、安定性が向上します。
また、ハンドル自体のしなり効果で、ハンドルの走行振動、段差等の衝撃を緩和する事ができます。


ハンドル回り。基本的には、ギャラリー#26:BILLION  D215i '04改と同じです。

ブルホーン・バーに、ダイアコンペ製のVブレーキ対応の287Vを使用。
バーエンド・シフターのワイヤー・ ルーティングの為に、ブレーキレバーの
ハンドル・マウントの一部を金属ヤスリにて削ってます。(加工は簡単に削れます。)

バーエンドシフターは、「シマノ」社のデュラエース SL-BS77。
これにて、フロント2段、リア9段を駆動しています。


今回のブルホーン・バー装着の改造の目玉が、このステム回りの改造です。

一番簡単で、確実な方法は’04年モデルのヘリオスにも採用されている、DAHON純正
オプションの「ALLOY アジャストハンドルステム 〜04 SILVER :¥15,750」を
使えば良いのですが、これでは簡単過ぎて面白く無いですよね!

また、通常YAMAHONの改造で見られるのは、ハンドルポストをカットして、
そこにシュレッドレス・コンバーターを入れてAヘッドステムなんですが、
シュレッドレス・コンバーターの重量増はちょっとね!(重いんだよな、これ!)
また、ポジション的にもAヘッドステムを採用すると、ステム長分遠くなるのも問題です。

そこで、各部の寸法を調べてみますと、ハンドルポスト外形31.8mm、内径28.6mm。
実は、これは、シートポストの寸法なんです。つまり、シートポストの固定部品が流用出来る訳。

DAHON純正のステムの外形が25.4mmなので、これもシートポストに有るサイズです。
シートポストのサイズ合わせ同様に、25.4mm→28.6mmへのシムを使えば良い訳です。
(今回はメンバーのツッチーさんに製作いただきましたが、同サイズの物が市販もされてます。)

簡単な加工手順は,ハンドルステムカット→固定用割り加工のみで、後は部品を組むだけです。
(詳しい加工手順、写真はミツさんのサイトにて・・・私が加工していたので撮影は無理でした。)

DAHON純正のステムはハンドル固定部分がMTB用の25.4mmですので、
ロード用ハンドルのクランプ径の26mmに加工してあります。

*強度的な問題は、体重を支えるシートポスト同様の加工、構造ですので、問題は無いのですが、
加工その物の精度、仕上げによっては問題が発生する可能性が有ります。
参考に製作される場合は、くれぐれも 自己責任でお願いいたします。


リアディレーラーは「シマノ」社の「ティアグラ  RD-4400-SS」。カセットは12−25Tの9速。

フロントディレーラーは「シマノ」社の「ティアグラ  FD-4400-F」。
「ちゃりき!」特製ステーにてマウントしてあります。(以前に改造済み。レポート#21参照


9速化に伴い、ホイールも変更です。

オリジナルのボスフリーのハブでは、9速化はできないので、ハブの組み替えかホイールの変更と
なりますが、どちらも問題になるのが、リアハブ軸のフレームへの固定です。
オリジナルはナット締めですので、フレームのエンド形状がクイックでの固定では前後位置決めが
確実ではありません。フレーム側の加工と言う手も有りますが、強度的、重量的な事を考えると、
溶接加工になりますので、面倒なの止めます(笑)。

03年までのDAHONの8速モデルがナット締めタイプなので、このホイールを使います。
今回は、ヤフ・オクで出物があったので、採用です。

ただし、オリジナルのリアエンド幅126mmに対して130mmなので、広げる加工が必要です。
写真の様に塑性変形方法で広げる訳ですが、これはYAMAHONユーザーの間では定番な方法で、
強度的にも問題無いと思われます。(実際の加工はユーザーのミツさんが実施)


クランク回りは以前オーナーのミツさんが交換されてた「シマノ」社の「ティアグラ FC-4400」
52-39Tのギア板です。

今回は新たにペダルが「三ヶ島」社の 「プロムナード EAZY」へ変更。
オリジナルの樹脂製に比べ、たわみが無いので、快適なペダリングができる様になりました。


完成後、試乗に「羽島市竹鼻」の藤まつりを見に出掛けました。

改造以前では25km/hでの巡航は、キツかったそうですが、現在は問題無くこなせるそうです。
また、輪行時の重さを考えたハンドルポストの加工で、持ち運びも苦にならない様です。

ハンドルバーを畳まなくても輪行できる為のオリジナルカバー(ヘリオスで使用中)も、
アキさんの協力で、改造時に同時製作しましたので、いつでも、旅立てますね!

ところで、『ここまで改造するなら,初めからそれなりの物を・・・』と言う意見も
当然、あるでしょうね!

ですが、すでに、オリジナルが手元に存在している訳で、それを無駄にしない為の改造です。
それに、お金を出せば買える物では無く、自分だけのワンオフがまた楽しいんですね!